戸建ては建物と敷地を含めて自分の家なのでなんでもできそうですが、構造による違いや、建築基準法・地域の条例などの法的な制約によってできることが変わってきます。
一戸建住宅のリフォーム工事での一般的な注意点をご紹介します。
間取り変更について
一戸建ての間取り変更には、構造上取り外せない柱や壁がかかわってきます。
1階と2階を貫く通し柱や、筋交いの入った壁は、基本的に取り払うことはできません。
また木造軸組工法(在来工法)なら比較的自由にできますが、2×4や鉄筋コンクリートの壁式構造などはかなりの制約があるなど、建築の工法(構造)によって自由度が異なります。
工法
【木造軸組工法】柱と梁で建物を支える工法
リフォーム自由度◎・・・壁の移動、水廻りの移動ともに自由度が高い。
【2×4工法】床・壁・天井をパネル状の面で支える工法
リフォーム自由度△・・・壁の移動、玄関や窓の拡張・増設は困難。
【鉄筋コンクリート造-ラーメン構造】柱と梁でささえる構造
リフォーム自由度◎・・・間仕切り壁が抜けるので、自由度が高い。
【鉄筋コンクリート造-壁式構造】壁と床で支える構造
リフォーム自由度△・・・耐力壁の移動に制限がある。
【鉄骨造】鉄骨の柱と梁の組み合わせで支える工法
リフォーム自由度○・・・重量鉄骨の場合は自由度が高いが、軽量鉄骨の場合は壁の移動などに制限がある。
【プレハブ工法】工場生産の壁や床を現場施工する工法
リフォーム自由度○・・・鉄骨系は木造軸組同様に自由度は高いが、木質系やコンクリート系は制限がある。
増築について
家の大きさには法律や条例での制限があり、必ずしも敷地いっぱいに増築できるとは限りません。
・敷地に対する建築面積(建ぺい率)や延べ床面積(容積率)に関する制限
・斜線制限や日陰規制などによる、屋根の高さや勾配、建物の形に関する制限
・隣の土地との境界線や、道路から一定以上の距離をとることに関する規制
増築の場合には、これらの法的な制約をクリアすることが重要です。また、新築時から制限が変わっている場合もあるので確認が必要です。
部位ごとの注意点
【小屋裏収納】 通常、天井板でふさがれている天井と屋根の間の空間にロフト(小屋裏収納)を設けることは、基準さえ守れば可能。 「面積がその階の2分の1以下で高さ1.4m未満」なら、床面積に算入されないので問題なし。容積率を気にせずにリフォーム可能。 |
【吹き抜け】 吹抜けは、木造軸組工法(在来工法)の場合は比較的に容易だが、建物の強度に影響が出ないかどうかの確認が必要。重量鉄骨造は鉄骨の梁を動かせないため困難です。 |
||
![]() |
【窓】 建物を支える耐力壁に新たに窓を設けることは困難だが、建物の強度に影響がない範囲であれば、窓の数を増やしたり、サイズを大きくすることは可能。木造軸組工法(在来工法)なら比較的自由だが、その他の工法の場合、特に建物の強度への影響を専門家に確認してもらう必要がある。 |
||
【バリアフリー】 床を平らにし、段差解消することは容易に可能。手すりの設置は壁に下地補強が必要になるので確認が必要。 |
【断熱】 内窓の設置や、高断熱の玄関ドアへ、交換は比較的容易で単独工事も可能で 床・壁・天井(または屋根)に断熱材の装填施工を行う断熱工事は、壁や床を解体するので、内装リフォーム工事(クロスや床材の張替など)と一緒に行うほうが費用的に負担が少なく済む。 |
||
【水まわり】 一戸建ては、水まわりの変更については比較的自由度が高い。キッチンを対面式にしたり浴室を大きくしたり、1階にあったキッチンや浴室、トイレを2階へ移すなど、かなり思い切った移動も可能。ただし、敷地と建物の位置によって給排水管に勾配がつけにくいと大幅な移動が難しいこともあるので、リフォーム会社等に確認してもらう必要がある。 |