マンションが骨董家具と骨董建具でまるで戸建ての様な空間に

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マンションリノベーション

  • 板橋区 ライオンズマンション上板橋第2
  • 家族構成:大人2人
  • 築年:1987年
  • リフォーム面積:58㎡
  • 工期:60日
  • リフォーム費用:866万円

骨董家具と調和する無垢材のよさを最大限に生かした空間

すべての部屋がバルコニーに面している間取りで、すごしやすい季節には気持ちのよい風が抜けていく反面、夏の時季には強い日差しが差し込み、うだるような暑さに大変悩んでおられました。
またI様は骨董の家具や食器、絵画、作家ものの家具・照明など、こだわりのコレクションをたくさんお持ちです。これらを生かしながら、ここちよい暮らしが送れるような住まいにしたいと日々思いを馳せておられました。

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無垢材・自然素材リフォーム

「あたりまえ」に選んだ無垢材・自然素材

I様がお持ちの骨董の家具や器、絵画などはどれも存在感のあるものばかりです。
それらを包み込む空間が、例えば薄い板を貼り付けたような床材や何々風、何々調のビニールクロスなど、表面的にお化粧したような建材で囲まれてしまうと、お手持ちの家具の存在感は薄れてしまい、きっと魅力のない空間になってしまうと私たちは考えました。I様にもそのようにお伝えしたところ、やはり同様の思いを抱いていました。
またI様は以前から自然素材について興味があり、傷が付きやすいこと、反りやひび割れが生じること、などのデメリットがある上で、それを上回るような調湿効果やここちよい肌ざわりなどのメリットがあることもご理解されていました。
よって今回のリフォームでは自然素材を、「あたりまえのもの」として採用することになりました。

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床には30mm厚の杉板を使用。既存のフローリングの上に直張りすることでコストダウンをはかり、無駄な廃棄物を出さないという環境配慮も…。

9519-1-2水工房定番のシラス壁にはワラスサを入れることで、より素材感を楽しめる壁面に仕上がりました。 9519-1-3和紙本来の持ち味をそのままに、撥水性、防汚性をプラスした「玉紙」。
9519-1-4洗面所の床には肌ざわりのよい竹タイル。
あたかも温泉旅館にいるような雰囲気に仕上がりました。

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玄関収納の箱組には合板を使わずに杉板を剥ぎ合わせたものを使用。
シックハウス対策や調湿効果を考慮しています。

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栗の耳付材(木の皮の部分を活かした材)を使用した洗面カウンター。

和モダンリフォーム

大正ロマンと純和風テイストを取り入れ、想いをカタチにする

I様は空間のイメージをきちんとお持ちでしたので、お打合せではそのイメージを元に、より空間の魅力が増すようなご提案をさせていただきました。
そのご提案は快く受け入れていただいたものもあれば、時には却下されることもあり…、
逆に私たちからI様への反対意見を受け入れていただいたりしたこともありましたが、
そうしたお打合せを重ねることで、目指す住まい像を共有することができ、
I様の想いは少しずつカタチになっていきました。
リフォーム前 書斎コーナー
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リフォーム後 書斎コーナー
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壁・天井はシラス壁塗り。壁はグリーン、天井はホワイトと色を変えることでモダンな雰囲気に仕上がりました。
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コーナー部分にI様のコレクションを飾る飾り棚を設けました。
リフォーム前 リビング
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リフォーム後 リビング
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骨董の建具と水屋箪笥・飾り棚が壁一面に並んでいる、I様邸の「メインディッシュ」と言える空間。
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キッチンとは間仕切障子で区切ることができるようになっています。

調和デザイン

空間のスパイス

自然素材で囲まれた空間は、ナチュラルな色合いで落ち着いた雰囲気に仕上がる反面、
単調になってしまい物足りなさを感じる場合があります。
今回のリフォームでは、要所要所に空間のスパイスとなるような仕掛けをつくることを考慮しています。
例えば様々なカタチの「格子」の活用。所々にアクセントとして格子を取り入れることで、
骨董家具とも調和しながら、主張し過ぎずに家全体の統一感を高めています。
そして「差し色」を活用すること。単調な色合いの空間に、うるさくならない程度に差し色を活用することで、
空間のアクセントとなり、暮らしに彩を与えてくれます。
その他にもI様のコレクションを飾るコーナーを作ったり、既製品でもより素材感のあるものをチョイスしたり…。
そんなスパイスを散りばめることで、自然素材をより生かすことのできる空間デザインが可能になるのでないかと思います。
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差し色としてワインレッドの扉を選んだキッチン。
その横には、素敵な小物をたくさんお持ちのI様のために小物を飾る造作格子棚をご提案。
I様お手持ちの器たちが誇らしげに並んでいます。
格子棚の背板は障子仕様なので、裏側からの影もインテリアになります。
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初めて来たお客様にとっては、期待感が高まる空間です。
唐津の陶芸家・中里隆氏がデザインした床タイルでお出迎え。
張り方にもこだわっています。

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単なる水廻りスペースではなく、ホテルライクでラグジュアリーな雰囲気に仕上げています。

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洗面台のタイルには琥珀色のガラスモザイクタイルを採用。間接照明で照らすことで、華やかな雰囲気を醸し出しています。
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壁・天井の仕上げは和紙壁紙。正面の壁のみアクセントとなるように色違いで仕上げています。
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浴室/シンプルで高級感のあるデザインのユニットバスをチョイス。浴室ドアの脇にはFIXガラスを取付け、採光を確保しています。

建具

ベテラン職人の技が冴え渡る

今回のリフォームでのポイントのひとつが「建具」です。
ベテラン建具スタッフが担当しました。
様々なデザインの建具に対して、計画段階ではベテランならではのアドバイスがあり、
また製作に関しても、細かい部分まで気を配った美しい仕上がりの建具を作ってくれました。
またI様邸では、I様が骨董店で見つけてきた骨董建具を二ヵ所に採用しています。
ここでも経験を生かして、全く違う用途で使われてきた骨董建具を微妙に調整しながら、
何の違和感もなく取り付けてくれました。

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杉の天井板を利用した玄関収納の扉

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ランダムな格子をデザインしたトイレの扉

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I様が骨董屋で見つけた蔵戸(右)と造作の千本格子の障子戸(左)。
千本格子戸はI様が温泉旅館で一目惚れして、新しいお住まいに採用しました。
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千本格子戸はベテランの職人ならではの美しい仕上がり。
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キッチンとダイニングとの間仕切り障子。
飽きのこないデザインを考慮しています。
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骨董の障子入り格子戸をクローゼットの戸に利用。
当初は新設する予定でしたが、骨董家具と隣り合うため、「ぜひ骨董建具を…」とご提案させていただきました。

ベテラン職人

職人の「ひと手間」が強く美しい住まいをつくります

無垢材は工業製品とは違い、天然のものであるが故の「反り」や「ひび割れ」などが起きやすいという特性を持っています。
よって無垢素材は「ただ使えばよい」という訳ではなく、素材を吟味しながら適切に施工することが大切であり、この部分にこそ、水工房のこだわりがあると言えます。
今回の工事でも大工スタッフを始め、経験豊かなベテランスタッフたちが、こだわりの「ひと手間」を加えつつ力を最大限に発揮してくれました。
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厚さ3cmもある杉の床材に苦戦しながらも、できるだけ美しく仕上げたいとの思いから、カンナで削って微調整する「ひと手間」を加えています。
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床材の反りによる段差が生じないように、床板端部にビスケットと呼ばれるジョイント材を入れる「ひと手間」を加えています。
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通常は表からビスで留めてしまう引込戸の枠を、大工スタッフ・工藤の粋な計らいでパズルのような「はめ込み式」で納めています。

断熱リフォーム

夏の暑さ対策

家の内と外で最も熱の出入りが大きいのがサッシの部分であり、断熱、遮熱対策ではまずサッシの部分を改善することが、いちばん効果的な方法と言えます。
マンションでは、サッシが共有部分であるので勝手に交換することはできませんが、既存のサッシの内側に内窓サッシを取り付けることで、簡単にそして大きな断熱効果を上げることができます。
I様邸では主要な窓すべてに、この内窓サッシを取り付けています。
また夏の強い陽射しが照り付ける南側と西側には「遮熱LO-Eガラス」を採用することで、より高い遮熱性能を持たせています。I様のお住まいはマンションの最上階に位置するため、天井からの熱の出入りも気になる部分でした。
長い時間を過ごすリビングダイニングの天井部分のみではありますが、調湿性や耐久性に優れ、環境にもやさしい天然ウールの断熱材を使用することで、天井からの熱気を防ぐようにしています。また壁の仕上げに使っているシラス壁も、断熱効果はありませんが、湿度を調整することで体感温度を下げる効果がありますので、暑さ対策に一役買っていると言えるでしょう。

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内窓サッシ

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リビングダイニングの天井部分の施工中写真。
天然ウールの断熱材を天井裏に敷詰めています。
(10cm以上の厚みのある天然羊毛)

お客様の声

9519voice02 リフォームの醍醐味は何と言っても自分の夢を表現出来る事でしょう。
今回長年の夢(無垢の家)を叶えてくれたのが水工房さんでした。
たまたま近所でのリフォーム見学会を見に行ったのがきっかけでしたが、水工房さんのリフォームに対するコンセプトやスタッフの対応がとてもしっかりしていて、ここなら安心出来ると思い工事をお願いすることにしました。
実際水工房さんには個性豊かでセンスの良いスタッフが多数揃っており、尚且つ熟練の職人さんも抱えているので、大手リフォーム会社には絶対に出来ない無理難題?に対してもかなりきめ細かく対応して下さいます。その件では随分とご迷惑を掛けたなぁと反省しきりです。
今回のリフォームのテーマは当初から「和モダン」と決めていたので、最初の打合せの際にそのテーマの内容については明確にお伝えしたこともあり、その方面に詳しいスタッフを配置してもらいました。
お陰でその後の段取りは和気あいあいスムースに行われ、繰り返し何度も作成して頂いた設計図の段階では自分も家づくりに参加しているのだという意識が高まり、後々のリフォームの仕上がり具合にも良い影響をもたらす結果となりました。
築25年のマンションであっても本物志向の素材を随所に投入した事で、見た目が美しく、とても快適な空間に生まれ変わりました。
特に杉材とシラス壁の組み合わせは素晴らしいの一語に尽きます。
「無垢の本当の良さは住んでみて初めて実感できる」
無垢材・自然素材でのリフォームをお考えの方!是非とも水工房さんと一緒にその夢を叶えてみてはいかがでしょうか。
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お施主様インタビューはこちらのページよりご覧いただけます